『戦場のピアニスト』を観た

昨日の夜、『戦場のピアニスト』を観た。

美しいショパンの曲の旋律を除いて、そこには地獄のような惨たらしさと悲しみの描写がひたすら続いていた。
心を麻痺させなければ耐えられないような、でもそれができなくて、というより心に守りの壁を作ってはいけないような気がして、そのため延々と泣きながら観てしまっていた。

私は今日一日、映画のことが頭から離れなくてあまり元気がなかった。
それは決して後悔ではないし、ユダヤの家系やホロコーストの歴史に深く関わりあるポランスキーやエイドリアン・ブロディによって映画が生み出されたことに大きな意味を見出しているし、ずっと苦しいけれどこの映画が私に精神的打撃を与えてくれたことにむしろ感謝の気持ちを抱いている。

このピアニストの、心が虚ろになってしまうほどの苦しみから目を背けない。歴史は連綿と続くもの、続いてきたもの。今もどこかで、見えないどこかで、同じ苦しみが生まれている可能性を、疑う。この映画が事実を基盤にしているという本当の恐怖を忘れない。

ショックで身体に力が入らないなか、今日はそんな誓いを心の中でたてていた。

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