STORM NIGHT


真夜中を生きている

一瞬の大雨の音 雷の光
それらを横たわりながら見て、聞いている
憂いがすべて形となって暴れているようだった
わたしの身体に受け入れていくように、黙って見て、聞いていた


数年前、豊島で体験した「ストーム・ハウス」のことを思い出した




わたしはこの夜、アイスカフェオレを一杯飲んだ
最近、お気に入りと思えるリキッドコーヒーに出会い、毎朝カフェオレにして飲んでいた

身体の奥深くまで沈んでいくような、苦味

それは不思議と心地よかった
いつまでも残っていると尚よかった

外で起こる一瞬の嵐も、コーヒーを飲んで眠れなくなることも、すべて、なんにも怖くなかった

ただ、別の不安と恐怖が頭のなかを蝕んでいた

わたしの頭に巣食うそういうものを振り払わず、受け入れて耐えなければと思った

それなのに、青葉市子さんの『羊のアンソニー』を聴いたことで、みるみると癒えてしまうようだった


わたしは朝になる前に眠りに堕ちた











2023.7.20 追記

ストーム・ハウスの記録映像が残っているのをはじめて知った



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